車の費用を「ガソリン代」で考えている人は多くいます。給油のたびに金額が目に入るからです。
しかし実際には、乗っても乗らなくてもかかる費用の方が大きいことがほとんどです。ガソリン代を意識して近所への外出を控えても、家計への効果は限られます。
この記事では、車の維持費を内訳に分けて、削れる順に整理します。
まず内訳を月割りにする
最初にやることは、年間にかかっている費用をすべて書き出し、12で割ることです。
| 項目 | 支払い時期 | 年額 | 月割り ||---|---|---|---|| 自動車税(種別割) | 毎年 | | || 任意保険 | 年払い/月払い | | || 車検(法定費用+整備) | 2年に一度 | ÷2 | || 自賠責保険 | 車検時 | ÷2 | || 駐車場代 | 毎月 | | || ガソリン代 | 都度 | | || メンテナンス(オイル、タイヤ等) | 都度 | | || ローン返済 | 毎月 | | |
車検は2年に一度なので、年額に直すときは総額を2で割ります。
この表を埋めると、多くの人が思っていたより大きい金額が出てきます。そして、ガソリン代の比率が意外に小さいことも分かります。
判断はここから始めます。金額が見えていない状態では、何を削るべきかも決まりません。
削りやすい順に見ていく
1. 任意保険(効果が大きく、手間も少ない)
最も見直しの余地が大きい項目です。契約を変えるだけで、生活は何も変わりません。
確認する点は次のとおりです。
- 等級。無事故が続いていれば、等級が上がって保険料が下がります
- 年齢条件・運転者限定。子どもが独立して運転しなくなったのに、条件が広いままになっていることがあります
- 車両保険の要否。車の価値が下がっているのに、高い保険料を払い続けている場合があります
- 特約の重複。弁護士費用特約や個人賠償責任特約は、他の保険やクレジットカードにすでに付いていることがあります
とくに重複は見つけやすく、削っても保障が減りません。火災保険や自動車保険、カードの付帯保険を一度並べて確認してください。
補償内容を下げる場合は慎重に判断してください。対人・対物の賠償は、無制限のままにしておくのが基本です。ここを削って浮く金額は小さく、事故時のリスクは非常に大きくなります。
2. 駐車場(相場が変わっていることがある)
長く同じ場所を借りていると、現在の相場より高いことがあります。
近隣の月極駐車場の募集価格を調べてみてください。差が大きければ、移るか、交渉の材料にできます。
車の大きさに対して区画が過大な契約になっていないか、屋根付き・機械式である必要が本当にあるか、といった点も見直しの余地です。
3. 車検と整備(比較の余地がある)
車検の費用は、法定費用(自賠責保険、重量税、印紙代)と、整備・代行の費用に分かれます。
法定費用はどこで受けても同じです。差が出るのは整備と代行の部分です。
- ディーラー、整備工場、車検専門店で見積もりを取る
- 見積もりの内訳を確認し、今回必要な整備と、次回でよい整備を分ける
すぐに交換しなくてよい部品まで含まれていることがあります。ただし、安全に関わる部分を先送りするのは別の問題です。整備士の説明を聞いて判断してください。
4. 燃料費(毎日効くが、幅は小さい)
削減幅は限られますが、続けやすい項目です。
- 急発進・急加速を避ける
- 不要な荷物を積みっぱなしにしない
- タイヤの空気圧を適正に保つ
- 短距離の移動をまとめる
タイヤの空気圧は、燃費だけでなく安全にも関わります。月に一度は確認してください。
手放すかどうかを判断する
維持費の月割りが出たら、その金額で代替手段が賄えるかを計算できます。
たとえば月割りの維持費が3万円だったとして、
- 週末のレンタカーやカーシェアを、月に何回使うといくらか
- 通勤に公共交通を使う場合の定期代
- タクシーを使う頻度と金額
- 買い物を配送サービスに切り替えた場合の費用
これらの合計と比べます。合計が維持費を下回るなら、金額の上では手放す選択が成り立ちます。
ただし金額だけで決めない
以下に当てはまる場合、手放す判断は慎重にしてください。
- 公共交通が実質的に使えない地域に住んでいる
- 家族に、通院や送迎が必要な人がいる
- 仕事で使う必要がある
- 災害時の移動手段として想定している
車がないと生活が成り立たない地域は実際にあります。そこで無理に手放すのは、節約ではなく生活の切り下げです。
逆に、都市部で週に一度しか乗らないなら、計算する価値は十分にあります。
保有し続けるが台数を減らす
2台以上ある家庭では、1台減らすという中間の選択肢があります。
税金、保険、駐車場、車検がまるごと一台分なくなるため、効果は大きくなります。使用頻度の低い方の車で、代替手段が足りるかを検討してください。
買い替えのタイミングで考えること
車を買い替える際は、車両価格だけでなく、保有中の費用を含めて比較してください。
- 排気量や重量で税金が変わります
- 燃費で燃料費が変わります
- 車種や年式で任意保険の保険料が変わります
- 大きさで駐車場の選択肢が変わります
購入時に10万円安くても、維持費が年に3万円高ければ、数年で逆転します。
なお、まだ乗れる車を「燃費のため」に買い替えるのは、金額の上では割に合わないことがほとんどです。買い替えは、必要になったときに条件を比較するものと考えてください。
まとめ
- 年間の費用をすべて書き出し、12で割る。まずここから始めます
- 任意保険の等級・条件・特約の重複を確認します。最も削りやすい項目です
- 駐車場の相場を調べます。長期契約ほど差が出ます
- 車検は内訳を分けて、必要な整備を見極めます
- 燃料費は続けやすい一方、幅は限られます
そのうえで、維持費の月割りと代替手段の費用を比べれば、保有し続けるかどうかを金額で判断できます。ただし地域と家族の事情は金額に現れません。数字は判断材料であって、結論ではありません。