サブスクリプションの見直しが節約の入口として優れているのは、判断に迷わないからです。
保険や住宅ローンは、何が正解か調べるところから始まります。サブスクは違います。使っていなければ解約する。それだけです。
問題は判断ではなく、そもそも契約していることを忘れている点にあります。この記事では、忘れているものまで確実に見つける手順を整理します。
なぜ気づかないまま払い続けるのか
サブスクを放置してしまう理由は、意志の弱さではありません。仕組みの問題です。
- 金額が小さい。数百円は、明細で見ても目に留まりません
- 通知が来ない。多くのサービスは毎月の課金を知らせません
- 無料期間から自動で移行する。試すつもりが、そのまま契約になります
- 年払いは12か月に一度しか動かない。3か月分の明細を見ても現れません
つまり、意識していないと気づけないように出来ています。だから一度、腰を据えて棚卸しをする必要があります。
ステップ1|支払い経路をすべて挙げる
洗い出しの抜けは、見ていない支払い経路があることで起きます。まず経路を挙げてください。
- クレジットカード(複数枚あるなら全部)
- デビットカード
- 銀行口座からの引き落とし
- 各種の決済アプリ(PayPay、d払いなど)
- 携帯料金との合算(キャリア決済)
- App Store / Google Play の定期購入
- Amazon の定期的な支払い
見落としが多いのは下の3つです。特にアプリストア経由の定期購入は、カードの明細上は「Apple」「Google」としか出ないため、内訳を見ないと何の契約か分かりません。
アプリストアの定期購入は、それぞれの設定画面に一覧があります。iPhoneなら設定からApple IDの購読、Androidなら Google Play の定期購入です。ここは必ず個別に開いてください。
ステップ2|12か月分をさかのぼる
各経路の明細を、12か月分さかのぼります。3か月では足りません。年払いの契約が現れないためです。
見つけ方は単純で、同じ金額が同じ日に繰り返し出ている行を拾っていきます。金額が毎月わずかに違う場合は、従量課金か、税や為替の影響です。
拾ったものを表にしておくと、判断が早くなります。
| サービス名 | 月額(年額) | 支払い経路 | 最後に使った時期 ||---|---|---|---|| 例:動画配信A | 1,000円 | カードX | 今月 || 例:クラウドB | 年6,000円 | Apple | 半年以上前 |
「最後に使った時期」は、思い出せなければ「不明」で構いません。思い出せない時点で、使っていないという判断材料になります。
ステップ3|4つの箱に分ける
洗い出したものを、次の4つに分けます。
A. 今月使った — 残します。判断は不要です。
B. 今月は使っていないが、季節的に使う — 残すか、いったん止めるかを選びます。動画配信のように、見たい作品があるときだけ入り直せるサービスは、止めても損がありません。
C. 使っていない — 解約します。「また使うかもしれない」は理由になりません。必要になったら入り直せます。
D. 何のサービスか分からない — 最優先で調べてください。身に覚えのない課金の可能性があります。
Dが出てきた場合は、明細の表記でそのまま検索すると特定できることが多くあります。分からなければ、カード会社に問い合わせてください。
解約する前にやること
解約そのものは数分ですが、先に済ませておかないと戻せないものがあります。
- 保存したデータの持ち出し。クラウドストレージ、写真、メモ、家計簿アプリの記録など。解約後に消えるサービスがあります
- 購入済みコンテンツの扱いの確認。買い切りで購入したものが、解約後も見られるかどうかはサービスによります
- そのサービスをIDとして使っていないか。他のサービスへのログインに使っている場合、解約で連鎖的に困ることがあります
とくに1つ目は取り返しがつきません。解約ボタンを押す前に確認してください。
解約の手順で迷いやすい点
契約した経路で解約するのが原則です。アプリストア経由で契約したものは、サービス側のサイトで退会しても課金が止まらないことがあります。
また、解約と退会は別のことがあります。課金は止まったが、アカウントは残っている、という状態です。データを完全に消したい場合は、退会まで進めてください。
解約したら、確認メールか、管理画面の表示を保存しておきます。翌月に課金が続いていた場合の証拠になります。
解約後に確認すること
翌月の明細で、止めたはずの課金が本当に止まっているかを確認します。
解約手続きが完了していなかった、というのは実際に起こります。ここまでやって初めて、この作業は終わりです。
増やさないための仕組み
一度片づけても、放っておけばまた増えます。増やさない仕組みを作っておきます。
- 無料お試しを始めたら、その場で解約日をカレンダーに入れる。試すこと自体は悪くありません。放置が問題です
- 新しく契約するときは、支払い経路を一本に決める。散らばると次の棚卸しが大変になります
- 半年に一度、明細を見る日を決める。作業自体は30分で終わります
とくに1つ目が効きます。無料期間の終了日ではなく、その2日前に予定を入れてください。当日だと間に合わないことがあります。
まとめ
サブスクの見直しは、次の手順で確実に終わります。
- 支払い経路をすべて挙げる(アプリストアとキャリア決済を忘れずに)
- 12か月分の明細をさかのぼり、繰り返し出ている行を拾う
- 4つの箱に分け、使っていないものを解約する
そして解約前にデータを持ち出し、翌月の明細で止まったことを確認する。
作業としては1〜2時間ですが、見つかった分は翌月から自動的に効き続けます。固定費の見直しの中で、最も手軽に、最も確実に成果が出る項目です。